映画の感想を書くことは難しい

今日は映画を見た。

 

感想を残しておこうと思ったのだが、なかなか筆が進まない。

というよりも感想が細切れなのである。あのシーンがよかった、あの俳優の表情がいい、盛り上がりのシーンの構図がとても良かった、などで箇条書きのような感想となってしまうのだ。

 

またプロの映画監督が作った作品に対して、構図が良いや物語を感じさせる映像作りだったという感想もおかしいのではないかと思う。構図が良くて、映像や役者の演技で物語を見せるのが映画だろう、と思ってしまう。そして私も映像についてほとんど知識がないので、この監督独特の美しい構図が・・・という判断ができるわけでもない。

 

小説の感想は言いたいことがたくさん出てきてどんどん深まっていくのに、映画の感想は発散してしまう。難しいなぁと思った。

 

せっかくなので映画の感想を書くのが何故小説に比べて難しいのか考えてみた。

それは映画は視覚的な作品のため、小説に比べて見た感想を書くことが難しいからだと私は思う。

 

小説をどのように読むか、文字を淡々と追うタイプ、頭の中で読み上げるタイプ、人それぞれだが、私は映像+五感で感じるタイプだ。

これは4DX映画のようなもので、頭の中にイメージが浮かんでいるのだが、主人公の感情や表情、街の景色、温度、匂いなどを自分の過去の経験から引っ張り出してイメージするのだ。

その為、私にとっての読書は作者が作った作品を私が頭の中でイメージ化、追体験することで完成する行為だと思っている。

 

しかし映画は既に映像となって提供される。 主人公の見た目、舞台の町、人の表情、天気、映画に写る物全てがストーリーを伝えてくる。すると私はその物語の傍観者となってしまう。   

 

もちろん心を動かされたり、自分の糧になったなと思うことはあるが、小説のほど深く考え込むことはない。どこかの誰かの話を聞いているような感覚だ。

他人の話を聞いてタメになったなとか、色々大変な人もいるんだ、などと感想を抱くが何かそこから私は深く考えることがない。

 

上手く言葉に言い表せないが、小説は自分が追体験するが、そのシナリオは誰かが作った物語であることから、この追体験の意味は何か、リアルの自分はどう感じたか、作者はどんな人で何故この物語が作られたのか・・・など考えることが溢れてくるのだ。

 

以上が私が考えた、映画の感想を書くことは難しい理由だ。

 

色々と述べたが、現代では素人からアマチュア、プロの評論家まで映画の感想がSNSでバズっていることが多い。小説に比べて圧倒的に多い。なので私がただ小説が好きで、映画を見るのが得意ではない、ということなのだろう。

 

誰か参考にしたいと思う映画の感想ライターさんを探してみるのもいいなと思った。